『センコウガール』第5巻(後半)のネタバレ・感想!

『センコウガール』は永井三郎先生の作品です!

刑事を殴り、曜子とともに離島へやってきた如月。

そこで彼女は、自分の生い立ちと残された寿命について語った。

それを聞いた曜子は、虚ろな目から涙を流す。

そんな矢先、二人がいる離島へ警察はたどり着いたのだった。

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『センコウガール』第5巻(後半)

如月を追っていた刑事たちは、目撃情報を頼りに離島までたどり着いていた。

旅館やあちこち聞き込みをして、もう一人の少女がいるというところまで掴めた。

刑事は使命感というよりは、頭を殴打された復讐心で満ちていた。

そんなことを知ってか知らずか、この島に留まるのは危険だと考えた二人は港へ向かうことにした。

その道中如月は曜子といられるのが嬉しくて浮かれ気分だった。

 

しかし港へと続く街へ出ると、そこらじゅうで警察が聞き込みをしていた。

逃げ回る二人。

「ゔっ・・・」

逃げ回って体に障ったのか、如月がへたりこむ。

「体力・・・・・つかうんだ・・・すごく。もとめる・・・って・・・・」

「・・・・・でも、ようこが・・・くれたから・・・・・わたしの・・・ほしいもの・・・・・」

「・・・火が・・・き え る・・・・」

「駄目・・・駄目だよ・・・」

弱った如月に、絶望と悲壮に満ちた顔で拒む曜子。

『如月!!、民子!!!』

 

『見つけたぞ!!!今度はもう逃がさん!!』

如月に殴られた刑事が、頭に包帯を巻いて現れる。

震える如月。

「こ な い で」

ナイフを曜子の首に押し当てる。

「き・・・如月・・・・落ち着け・・・・その子は・・なんなんだ・・・共犯者か?」

「こ、このこはわたしがおどしてむりやりつれてきたの!ぜんぜんかんけいないこなの!」

かすんでよく見えない目で必死に訴えかける。

そして刑事が追いかけてこれないうちに、人気のない漁港へと向かう。

『センコウガール』第5巻(後半)のネタバレ

「あしが・・おもくて・・かんかくがないの・・・・」

走って逃げていた如月が足を止める。

「すぐだよ。すぐそこだよ・・・」

悔しそうに歯を噛みしめる曜子。

「ようこ・・・まきこんでほんとごめんね・・・うちに・・・かえったら・・・おかあさんの・・ごはん・・・・たべて・・」

「おかあさんと・・・はなして・・・・」

「・・むりだよ。そんな・・・・」

困った顔で見つめる。

「できるよ! だって・・・・」

「二人ともいきてる・・・」

曜子の目に力が宿る。

「行くよ!!」

手を引いて足を進める。

 

「私嫌なの!!もうあんたを、箱に閉じ込めさせたくないの!!」

涙を流して顔がくしゃくしゃになる如月。

( 曜子、ありがとう。受け皿なんかじゃなくて、受け入れてくれるモノじゃなくて、

私が本当に求めてたのは、見つめると、見つめ返してくれるまっすぐな澄んだ瞳。

手を握ると、握り返してくれるあったかい手。想うと、想ってくれる人 )

『止まれ!!如月!!!!』

警察に呼び止められた直後、如月は倒れた。

心肺停止で曜子の腕の中で永遠の眠りについた。

 

そのことは連日ニュースでも話題になっていた。

医者によると、現代医学では如月の状態は通常、日常生活もままならず通学しているなんて考えられないという。

それは彼女の気力、生命力による奇跡としかいいようがないと説明した。

 

曜子はあの後取り調べすることになり、そこに母が慌ててかけつけてきた。

そして息を切らして曜子の顔を見ると、安堵の表情を浮かべた。

 

数日後、英子と隼子に呼び出された曜子はファミレスに連れてこられた。

如月に名指しをされ、殺されかけた三人。

そこで曜子は如月の行動の理由をはなした。

「・・・・ふ、ふざけんな!!!!」

殺そうとした理由を聞いて英子がコーヒーカップを投げ捨て熱り立つ。

自分の死にたいくらい苦しい悩みを、如月に測られたようで怒りがこみ上げたのだった。

 

隼子もそれに静かに肯定した。

そして如月の死に際、

曜子と母の関係を含めて、「生きているんだから話して」とお願いされたことを話した。

ただのイカれ女だと思っていたのに、真剣に生死を考えて思いやりをみせたことに目を見開く二人。

「・・・・・ふざけてる・・・・・・・・・」

店を出た3人は曜子のみ帰路を別にして帰ることに。

その道中、英子は殺されかけた時の気持ち、恐怖を隼子へ打ち明けた。

それを聞いた彼女も頷くのだった。

あれから学校へも行く気力がなくなった曜子はただぼーっと家の中で過ごしていた。

母もなぜか仕事には行かなかった。

もしかしたら行かないでいてくれたのかもしれない。

 

そこに、あの如月に執着していた男子生徒が現れた。

彼は如月の死をニュースで知り、曜子を探し回ったのだという。

なんとなく、いつもの駅に行き電車の中で話をすることに。

そこで如月の全てをはなしてあげる曜子。

彼は如月の最期に曜子が立ち会えたのは喜んでいたが、泣きながら悔しがった。

自分の家が近くにあって幼馴染であればこうはならなかったかもと。

「くやしい。くやしい。くやしい・・・・・・」

曜子は感じたことのない感覚、”喪失感”にさいなまれていた。

 

そんな中で彼女は、いろいろなことを”考え”はじめる。

はじめは、如月の一生についての想像。

そして七子のこと。

もし自分が受け入れていたら死ぬことを回避できたのか。

偽物の気持ちでも・・・?

そして自分自身のことを。

昔から黒い箱の中にいた自分は、それに気づくこともなかった。

だが今は如月の声とともに出口が見え始めた。

 

鏡を持って自分の顔をみつめる英子と母。

英子は整形してくれた母に、自分を否定された気持ちがして悲しかったと伝える。

いつも盲目的に美を求めていた娘からの意外な言葉に、母は自分の過去を打ち明けた。

子供の頃、醜い外見でいじめられ悔しかった。

怖くて、苦しくて、死んでしまいたいほど。

 

そして整形に出会い自信をもてるようになった母は、今度は救う番になるべく美容外科医になった。

娘だからこそ、くるしんでいるなら助けてあげたかったのだという。

「これからも私はそうしていくし、この鏡も見続けるわ。引き返せないの・・・・何があっても」

そして悲しそうな顔で、娘に否定されたとおもわせたことに謝る。

「・・・・ママ・・・ママってすごいね・・ママとは、違う・・・私、もう整形は・・・・しない」

「・・・・・そ」

晴れやかな顔で見つめ合う二人だった。

隼子は、父と弟がいつも走る堤防に来ていた。

そこに母が現れ、走れない隼子を気遣って帰ろうと促す。

しかし隼子は、また走ろうかなとボソっと呟く。

 

嬉しくて驚いた母は、腕のいいリハビリ施設があるとすぐに紹介してきた。

父が、もし隼子がまた走りたくなったらと母にリハビリ施設を教えて待っていたそうだ。

父は隼子が怪我をしたあの日から、ずっと負い目を感じて隼子から避けていたと母は語った。

そのことにずっと父に見放されてきたと思っていた隼子は、嬉しさと後悔が混じった顔で涙を流す。

「・・・・私また走りたい・・・・お父さんと・・・」

母の作った料理を食べていた曜子。

そこに母が突然声をかけてきた。

母はずっと学校に行ってないことを心配していた。

口数の少ない母は、そんな気持ちだけ伝えると踵を返して去っていく。

「まって!!」

思わず呼び止める曜子。

 

話したい。

でも何を話せばいいのかわからない彼女は、そのことを素直に伝えてみる。

母も同じような感じだったが、曜子が知りたがっている母のことについて話すことにした。

孤児として育った母。

頭が悪く人間関係もうまくいかなかったので施設を転々とする日々を送り、18で働くことになった。

仕事でもミスが多かった母は、転職して自動車工場で働くことに。

そこで曜子の父と出会い、子を授かる。

だがその男は妻を残して出稼ぎに来ているだけで、そのあとすぐにどこかへ行ってしまったという。

そして曜子が産まれ、途方にくれる母は気が付くと娘をだいて海の中へ歩いて行く。

最後だと思い曜子の顔へ近づけた指に、曜子の小さな手が握り返されて温かいものが流れてくる。

生きなくちゃと母は思った。

そこで娘を養って生きていくには、”女”しかなかった。

そんな過去があり、娘の曜子には後ろめたい気持ちがいっぱいだと伝えると、

「ごめんねっていつも思ってるけど・・・・どうやって伝えたらいいかも・・・・・わからなくて・・・」

「今まで・・・・ごめんね・・・・」

 

曜子の目に火が灯る。

思いっきり首を横に振って日頃の感謝をたどたどしく伝えるのだった。

それから数日後、曜子は学校へ戻ることができ、写真部へ入部することになった。

いつか見た、彼女の笑顔を求めるように街中を歩いてフレームに入れる。

その心には、しっかりと火が灯っていた。

『センコウガール』第5巻(後半)の感想

如月の生死感がこんな理由があったとは驚きました!

病気になって孤独な死の恐怖から、気力で求める様はなんだか美しく切なかったです。

彼女の死は、多くの灯りを授けて旅立って行きました。

もしかしたら曜子たちは心に闇を抱えたまま人生を歩んで行ったのかもしれないです。

今となっては如月の奇怪な行動も正解のひとつだったんだなと思いました。

とても感情豊かな絵で魅力的な作品でした!!!

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